「LGBT 理解」で検索すると必ず表示されるのは、「アライ(Ally)」
これは用語集にも書いていますが、英語で「同盟、支援」を意味するallyが語源で、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)の当事者ではない人が、LGBTに代表される性的マイノリティを理解し支援するという考え方、あるいはそうした立場を明確にしている人々を指す言葉です。
当サイト代表の私もアライ(Ally)です。
わたしがアライになったキッカケとは?
私の場合、前に働いていた会社でLGBT・セクシュアルマイノリティを受け入れ始め、一緒に仕事をしたことがキッカケでした。
それまでは、性別は「男」と「女」の2つだけ、もちろん性指向に関しても男なら女を、女なら男をという意識。
テレビで、女装家やゲイ、MtFの人たちがひとまとめに”オネエ”として扱われ出てきたときも、「体は男でしょ?だから男だ!」という考えでした。
しかし、LGBTのことを理解し、当事者の方と仕事をしていくうちにその考えは180度変わりました。
少し事例をお話させていただくと、当時の私は、後輩を指導する立場にありました。
本来なら仕事をする上で、相手の性別を持ち出す必要はないと思います。
しかし、実際はどうでしょうか。
改めて思い起こすと、私は男性と女性で態度を変えてしまっていました。
例えば指導方法。
男性には厳しく、女性には優しくといった感じで・・・。
しかし、様々な性自認や性指向を持つ当事者の方と一緒に働いていくうちに、そうした性別に関する意識は「そもそも間違っているんじゃない!?」と感じるようになりました。
男性でも優しくされたいし(私もですが(笑))、女性でも厳しく指導してほしいという人はいるはずです。
そして、性別に関する自分の勝手な思い込みから、人それぞれの違いを考えず、相手の性別を前提として指導を行っていたことがバカらしく思えてきたのです。
こうしたきっかけから、相手を「男」や「女」とみなして接するのではなく、「人」という考えで接するようにしてみました。
その結果、仕事上の考え方もそうですが、人と接するときの対応も変わりました。
これからアライ(Ally)になる方へ
日本には約8%、つまり約1,000万人以上のLGBT・セクシュアルマイノリティの方がいるといわれています。
つまり、あなたの周りにもいる可能性は非常に高いということです。
それは家族かもしれないし、親友かもしれないし、同僚かもしれない。
「そんな人周りにいないよ。」と言う声が聞こえてきそうですが、実際にカミングアウトをしていないだけかもしれません。
当事者がカミングアウトをしていてもしていなくても、不用意に相手を傷つけることのないよう理解をすることは、関係を構築して行く上でお互いに大切なことです。
しかし、一言に「理解する」と言っても、一体どこからどこまでを理解すればよいのか、また何をもって理解といえるのか、難しいですよね。
例えば、セクシュアリティに関して。
日本ではゲイやレズビアン、バイセクシュアルなどが主に知られていますが、一部の国のFacebookでは、なんと約50種類から自分のセクシュアリティを選ぶことが可能なのです。
ビックリですよね!私もそれを知ったときビックリしました!
ですが、さすがに私でも、そこまで覚えられる自信はありません・・・。
私の考えとしては、こうしたたくさんあるセクシュアリティを全て覚えることよりも、LGBTに関する基本的な知識を持ち得た上で、考えていく努力が「理解する」ことへと繋がっていくと思っています。
最低限、覚えてほしいことについては、当サイトの「セクマイ基礎知識」をご覧いただければと思います。
これだけ理解するだけでも、あなた自身の当事者に対する接し方は変わっていくでしょう。
男女の枠組みで相手と接するのではなく、「人」として接することが、私はいちばん大事だと思っています。
しかし、それと同時に正直これがむずかしい。
というのも、産まれたときから既に「男」か「女」に分けられて生活をしている私たちは、「人は男か女のどちらかであり、それは変わることはない」「男は女を、女は男を好きになる」という意識があたりまえとしてあります。
社会生活を送っていくなかで、その認識はより強固なものとして私たちの意識下に根付き、相手を人としてみなし接することを困難にさせます。
そんな中、わたしの場合、まず言葉遣いを変えてみました。
例えば・・・
「彼氏(彼女)いる?」⇒「恋人いる?」
このように、性別を限定した聞き方ではなく、どんな性別であっても、対応できる聞き方にしました。
しかし聞きたいことは同じなのです!
もちろん、いるかいないか、返ってくる言葉も同じですが、性別を限定しないことによって、多様な恋愛の可能性を含んだ意味合いになります。
こうした小さなことからでもいいのです!
このようなことを何度も何度もやることによって、自分自身の意識を見直すきっかけになります。
これらはあくまで私が実践した内容になりますのでこれが正解とは限りませんが、ひとつの例として、「人」として接することは何かを考えていくきっかけになるでしょう。
それは、LGBT当事者だけでなく、非当事者の男性や女性にもそれぞれ違いがあるように、広く活きる考え方だと思います。
誰もが過ごしやすく、受け入れられる社会と誰もが自分を偽らない社会に
これは、当サイトが目標として掲げている内容ですが、それらを叶えるためには当事者たちだけではダメなのです!
この社会には、LGBT当事者もそうでない人も、多様な人々が生きています。
だからこそ、ひとりでも多くのアライ(Ally)を増やすことが、この目標を叶えるための鍵となるのです。
そのためにも私たちは、日々邁進していきます。
アライ(理解者)向け
ひとりでも多くの当事者が『過ごしやすく、受け入れられる社会』と『誰もが自分を偽らない社会』を創りましょう!
あなたが「できること」から始めてみませんか?
MITOI-ミトイ-では、LGBT・セクシュアルマイノリティの方、またはアライに対してアンケートしてみたい質問やリクエストを受付けております。