LGBT

学校教育とLGBT 課題と現状(2)

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前回は「学校教育とLGBT 課題と現状(1)」にて現状について綴った。今回は学校生活を送るLGBT当事者の現状について綴っていく。

今回は、高校時代に学校でLGBTの当事者であることが生徒にも教師にも知られてしまった当事者の話である。

 

手をつないでいたところを同級生に見られたことから始まる差別

その当事者には、高校時代に付き合っていた同性の恋人がいた。本当に信用のできる人にだけその事実を伝え、学校生活を送っていたという。春のある日、2人は桜を見にお花見に行った。手をつなぎながらのんびり歩いていると、偶然にも犬の散歩をする同級生とすれちがった。同級生には気づいたそぶりもなく、ただ通り過ぎていっただけだったという。

その数週間後、学校行事で2人の耳にひそひそ話が聞こえた。「あの2人、付き合ってるらしい。○○が手をつないでいる姿を見たって。気持ち悪い」。それを聞いた恋人は、泣きながら走っていったという。その後先生が別の部屋に連れて行ったが、ひそひそ話をしていた同級生は「聞こえてたんじゃない?」「いいよ」という会話をしていた。

 

次々広まる噂と差別

それからは、「トイレで2人がキスをしてる影が見えた」という噂や、髪を切った恋人を見た同級生が「レズでも失恋するの?」などの発言をしていたという。

それからも同級生は2人をネタに笑っていた。休み時間に同級生が会話の中でレズビアンの話をしていた。すると急に「ちがうよー、私レズじゃないもん!ねえ、○○さん?」と恋人に話を振ったという。当時、2人の噂は学年中に広まっていた。オープンな2人へのポジティブなコミュニケーションではなく、悪意のある振りだった。

矛先はほとんど、問題の始まりである学校行事の際に泣いてしまった恋人のほうに向いていたという。恋人は友人だと思っていた人を失い、さまざまな差別発言を受けるようになった。

 

教師の反応

ほどなくして教師との進路相談のための個人面談が行なわれた。2人は教師からそれぞれ交際に関することを聞かれたという。当事者は教師から「(同性との交際は)一時的なものだから」「いつかなくなるから」と言われた。その教師は授業中、”オカマ”に関する話をする時、「こっちの人」というセリフとともに手の甲を頬につける動作をするような人だったという。そしてその言動に同級生は笑っていた。

当事者はこの件をきっかけに、大学でジェンダーを学ぶ決意をしていた。AO推薦のために校長面接を受けた際に大学の志望理由のひとつとして「自身が当事者だから」と話すと、校長は「女子高ならでは」と鼻で笑ったという。(当事者は無事に校長面接を合格し、AO推薦権を獲得している。)

 

卒業後も続く苦しみ

2人は卒業後ほどなくして別れたが、6年ほど経つ今でも親しいという。今から1年ほど前、当時の状況を知りながら対等に接してくれた恩師が亡くなった。そのお通夜の連絡が2人のもとに来ていた。当事者は「行く」という決断をしたが、恋人のほうは当時のことを思い出して心因性の蕁麻疹を発症し行くことを断念したという。
当事者のほうはお通夜に参加したが、当時の同級生からチラチラと見られ、笑われていたという。

 

いかがだろうか。
LGBTの当事者が学校で当事者だと知られた場合、周りからの当人たちへの扱いが変わってしまったり、生徒に対等に接すべき教師からのサポートが得られないといった状況に陥る可能性がある。
教師からの理解や、生徒への教育などが必要だと感じる。

 

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