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LGBTへ配慮で3市が「男女」記さず 16市町村も変更検討 選挙投票所入場券

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2016年12月14日配信
配信元:Yahoo!ニュース

 性的少数者(LGBT)への配慮から、選挙の投票所入場券で性別表記を「男」「女」と明確に文字で記していない群馬県内の自治体は伊勢崎、太田、安中の3市に上り、ほか16市町村も表記の変更を検討していることが上毛新聞のまとめで分かった。LGBTの当事者にとって文字での表記が心理的負担につながり、性に関する秘密を暴露する「アウティング」の不安がつきまとうとされる。県内自治体間でも配慮の動きが広がり始めている。

◎アウティングの不安解消 有権者の要望受け
 上毛新聞が先月、県内35市町村の選挙管理委員会に状況を聞いた。入場券で3市は、有権者の戸籍の性区分を、記号や数字で表現。心と体の性が一致しない性同一性障害の人らが自身の性的認識と異なるとして表記を見た時に受けるつらさや、選管職員や他の有権者に入場券を見られた際のストレスを軽くする狙いがある。有権者の要望を受けて実施している。

 高崎など16市町村も上毛新聞の取材に対し、「男女の記載が直接分からないようにしたい」などと回答し、性別表記の変更を検討していることを明らかにした。

 投票所入場券の記載事項について、公職選挙法に規定はなく、自治体の裁量で決められる。4月の障害者差別解消法施行を受け、総務省は、性別の表現などについて、各自治体に検討を求める通知を出している。

 女性として生まれ、男性として暮らす性同一性障害のみどり市の男性(30)は「投票のたびに戸籍上の性別を確認させられるのは苦痛に思う人が多い。入場券の問題は、当事者にとって投票参加のモチベーションを左右する」と話している。

 LGBTに関する問題に詳しい共愛学園前橋国際大(前橋市)の前田由美子研究員(ジェンダー論)は「入場券が、戸籍上の性と表現している性が異なることを、他人に知られてしまうきっかけになる。万一アウティングされたらと考えると、投票所に足を運べなくなる人も多い」と説明。全国では性別の表記を変更する自治体が相次いでいるとして、「県内の今後の動きに期待したい」としている。

《アウティング》
 同性愛のレズビアンとゲイ、両性愛のバイセクシャル、生まれつきの性別に違和感を持つトランスジェンダーらの性的少数者が性自認などの秘密を暴露されること。同性愛者であることを暴露されたことが自殺につながったとして、遺族がアウティングした同級生と大学側を相手取って訴訟に発展したケースもある。

《県内自治体の投票所入場券の状況》
*性別表記を文字で書かず、記号や数字にしている
 伊勢崎、太田、安中

*性別表記の変更を検討している
 高崎、沼田、渋川、藤岡、みどり、上野、下仁田、中之条、長野原、草津、みなかみ、板倉、明和、千代田、大泉、邑楽

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