LGBT

LGBTの子どもをめぐる漫画が異例の反響

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2017年1月11日 17時50分 配信
引用元:NHK NEWS WEB

LGBT当事者の子どもたちが学校での実体験もとにした漫画がとても反響を呼んでいます。

簡単に説明すると・・・
◎当事者の子どもたちが実際に経験した出来事の漫画をインターネットで公開したところ、全国の教育委員会やPTAから申し込みが相次ぎ、半年で5,300冊配布した
◎描かれている漫画は、LGBTに対する教師や周囲の理解がなく、当事者の方が悲しい思いをしたという内容

いまでこそ「LGBT」という言葉が広がり、認知度も増している昨今ですが、実際の教育現場にどこまでLGBTに関する教育が行き届いているのかはわかりません。
 ですが、半年の間に 全国の教育委員会やPTAに5,300冊が配布されたことを考えると、教育現場からの関心の高さが伺えます。

しかしながら、ヒューマン・ライツ・ウォッチ(この漫画とともに報告書を作成した人権団体)の土井さんが、漫画の反響について「教師の側もLGBTの子どもへの対応に悩んでいることの裏返し」と述べていることや、教師の態度に傷つく当事者の声も多く挙げられていることから、LGBTに関する情報を発信するだけではこの問題を解決することはできないように思います。

当事者や各団体、あるいは国から発信されたLGBTに関する情報をもとに、学校全体がLGBTへの理解や配慮が必要な生徒への対応について考えていく中で、実際の教育現場に携わりながらもLGBTに対する偏見やとまどいを持つ教師ひとりひとりの意識とも、真摯に向き合っていくことが必要なのではないでしょうか。

※漫画については、ヒューマン・ライツ・ウォッチの報告書内で詳細がみれます。→https://www.hrw.org/ja/report/2016/05/06/289497

↓↓原文はコチラ↓↓

「出る杭は打たれる」というタイトルの漫画の冊子に異例の反響が集まっています。
内容は、LGBT、セクシュアルマイノリティーの子どもたちの学校での実体験。
カミングアウトしたり、生きづらさを訴えたりしても、教師が受け止めてくれず、逆につらい目にあったと訴えています。

≪半年で5,000部を配布≫
この漫画は去年5月、国際的な人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」がLGBTの人たちへのインタビューやアンケートを基に、学校でのいじめや差別をまとめた報告書として作られました。
内容をインターネットでも公開したところ、「研修用の資料に使いたい」という申し込みが相次ぐようになりました。
申し込んだのは全国の自治体の教育委員会やPTAの連合会などで、配布した冊数は半年余りですでに5300冊以上に上ります。
ヒューマン・ライツ・ウォッチでは、人権に関わるさまざまな報告書を作っていますが、これだけの依頼があったのは今回が初めてだということです。

≪出る杭が打たれた-1≫
漫画では、インタビューに応じてくれた当事者が登場します。
訴えているのはLGBTに対する教師の理解です。
レズビアンの女性が高校の授業で、「同性愛を認めている国があるが、気持ち悪い」「結婚して子どもを産むのが女性の自然な姿」という教師の言葉を聞き、動揺して教室で泣き出してしまった姿が描かれています。

さらにこの女性がLGBTについて多く人に理解してもらおうと、スピーチコンテストのテーマに同性愛を取り上げ発表しようとしたところ、「学校が悪く言われるかもしれない。テーマを変えて」と教師から指示されたこともあったといいます。
この女性はNHKのインタビューにも応じ、「子どもなので先生の言うことが正しいと思っていた。
自分は価値のない人間だと思うようになり、何度も死にたいと考えた」「スピーチコンテストは友人が抗議してくれて同性愛をテーマにすることは認められた。しかし”自分たちの学校にもいるかもしれない”という部分を削られ、自分もしかたないと思ってしまった。
それがいまでも悔しいし悲しい」と話していました。

≪出る杭が打たれた-2≫
カミングアウトをしたことで、先生から直接、差別的な言葉を言われた男性も登場します。
大学3年生のゲイの男性は、高校時代、本当の自分を隠して生活をすることが辛くなり、大勢の生徒の前でカミングアウトをしました。
いわゆる”ホモネタ”で友人たちがふざけ合う姿を見ているのがつらく、「LGBTの生徒が身近にいることを知ってもらえれば状況が変わるかもしれない」と期待を抱いての行動だったといいます。

ところが「風紀を乱した」として親が学校に呼ばれ、ある先生からは、「これからはお前と話をしているだけでゲイだと思われる」と言われたそうです。
また、修学旅行も、2人一組の部屋で泊まるため先生に相談しましたが、自分で泊まる相手を探すよう言われたといいます。
結局、同級生から避けられて、修学旅行には参加できませんでした。
この男性は「先生が言うことやすることは正しいという前提なので、人に指摘されるまで、差別だとは気付かなかった」と話しています。

≪出る杭が打たれた-3≫
また、高校でゲイであることをカミングアウトした別の大学生は、同級生から殴られたり暴言を言われたりするいじめを受けてきました。
このため学校新聞の取材を受け、「いじめは命さえ奪うことがある。ゲイだからといっていじめが放置されていいのか」と答えました。
先生や同級生につらい思いを訴えようとしたのです。
しかし、男性の言葉が学校新聞に載ることはありませんでした。
教師から掲載を差し止める指示があったことをあとから知りました。
この男性もNHKの取材に応じて、「子どもの心を育てる教師の責任は大きいと思う。しぐさが女の子っぽいといじめられ、教師に相談したのに”自分たちで解決して”と突き放され、つらくて転校もした」と話していました。

「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の土井香苗さんは、「教師の言葉によって子どもたちの人生が左右されてしまうこともある。
また、反響が大きいのは、教師の側もLGBTの子どもへの対応に悩んでいることの裏返しと思う」と話し、教師への研修を義務づけてほしいと訴えています。
また、国はLGBTの子どもへの対応について、去年4月に教職員向けのマニュアルを作成し、LGBTへの偏見をなくし理解を深めることが必要と学校側に求めています。
”何気ないつもりのからかいの言葉”、LGBTの問題を正面から受け止めず、”見ないことにしていこうという姿勢”それが子どもを深く傷つけ人生を変えてしまうおそれもあることをこの冊子は訴えています。

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