同性パートナー

LGBTの里親 認定の意向 大阪の事例踏まえ群馬県 排除せず是非決める考え

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2017年6月6日 6時00分 配信
引用元:上毛新聞

親の不在や虐待などから家庭で暮らせない子どもを育てる養育里親に関し、群馬県は5日、性的少数者(LGBT)のカップルであっても、一定の要件を満たせば、里親として認定する意向を明らかにした。
里親はこれまで夫婦や個人を前提とする見解が強く、県などが同性カップルを認定することは消極姿勢とされたが、昨年末に男性カップルを認定した大阪市の事例を踏まえ、県が初めて認定に前向きな姿勢を示した

◎子ども養育の力や資質踏まえる

養育里親 親の不在や虐待などの理由で親と暮らせない子どもを養育する児童福祉法上の仕組み。
里親を希望する人は児童相談所に申請し、家庭訪問などの調査や研修を経て、都道府県や政令指定都市などから認定を受ける。
要件として
(1)養育への理解や熱意、児童に豊かな愛情がある
(2)経済的に困窮していない
(3)研修を修了している
―などがある。
里親の形態としてこのほか、養子縁組を前提とした「養子縁組里親」などがある。

同日の県議会一般質問で、中村弘子こども未来部長が「セクシュアリティ(性の在り方)にとらわれず、個別に判断する必要がある」と述べ、同性同士などLGBTのカップルを排除せず、子どもを養育する能力や資質を踏まえて認定の是非を決める考えを示した。
小川晶氏(リベラル群馬)の質問に対して答えた。

厚生労働省のガイドラインでは、里親の要件に男女の夫婦であることを求める記載はない。
ただ、国内では同性カップルが里親を申請しても問い合わせの段階で拒否されるケースが多く、同性カップルが里親として子育てする海外と比べ、立ち遅れが指摘されていた。

一方、大阪市は昨年末に男性カップルを里親として認定し、市に委託された男の子を預かった。
厚労省によると、全国初の認定事例とみられ、他自治体への波及が注目されていた。

県里親の会によると、社会的養護が必要な子どもの数に対し、養育里親が不足している現状がある。
子どもを持つことを諦めている同性カップルも多く、会長の上原正男さん(68)は県の意向を受け、「多様な里親がいる方が子どもの受け入れ先は広がる。LGBTの当事者かどうかにかかわらず、適切な養育と家庭運営ができるかが大切だ」と指摘している。

LGBTはレズビアン(女性同性愛)ゲイ(男性同性愛)バイセクシャル(両性愛)トランスジェンダー(体の性と心の性の不一致)の総称。
電通ダイバーシティ・ラボの2015年調査で日本人の7.6とされる。

◎【歓迎】同性カップルの希望/【慎重】地域の受け入れ課題

LGBTのカップルの里親認定に関する県の意向について、県内では歓迎の声が上がる一方、乗り越えなければならない課題があるとの慎重論も根強い。

同性パートナーがいる高崎市の男性(26)は「前向きな検討をしてくれてうれしい。さまざまな理由で子どもをつくれないLGBTのカップルにとって、希望になる」と喜んだ。

LGBT問題に詳しい共愛学園前橋国際大の前田由美子研究員(ジェンダー論)は「同性カップルの中には、里親登録を諦めている人も少なくない」と指摘した上で、「子どもにとって必要なのは、愛情を持った幸せな大人たちに囲まれること」と話した。

一方、群馬医療福祉大の真下潔講師(児童福祉学)は「性的マイノリティの人たちが社会的役割を分担することを否定はしない」としながら、「子どもに男女の区別が付いてくる頃、きちんと理解してもらえるように説明する必要が生じる」などとして、里子への配慮の大切さを訴えた。
高崎市内の男性(59)は「制度的に認められたとしても、男性同士などの親が地域で受け入れられるほど、県内は都市化していないのではないか」と疑問を投げ掛けた。

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