悩み

≪家探し支援≫理解不十分、契約難しく 福岡の不動産会社が取り組み

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2017年9月21日 西部夕刊 配信
引用元:毎日新聞

性的少数者(LGBTなど)の不動産物件の賃貸を巡り、入居しやすい環境づくりに向けた新たな動きが出ている。
福岡市の不動産会社「三好不動産」は昨年11月からの10カ月間で、部屋探しに苦労する同性カップル14件の入居契約を成立させ、業界などで注目されている。
ただ理解不足から契約に至らないケースなどもあり、専門家は行政の積極的な対応の必要性を指摘している。

 

三好不動産でLGBTの入居を担当する原麻衣さん(36)は同性カップルの支えとなっている。
契約が成立した人たちから「自分たちの関係を隠さずに部屋探しをできてよかった」と感謝のメッセージが寄せられている。

原さんは昨年5月に会社が開いたLGBTの研修会に参加し、同性カップルが置かれている厳しい現実を知った。
同性カップルが賃貸物件に入居しようとすると、不動産会社や家賃保証会社、大家の偏見などから「紹介できる物件がない」などと難色を示され、「1人で入居する」と偽って契約するケースがあることを教えられた。

本当は2人入居なのに1人として契約すれば、火災でけがをした場合、契約上、氏名がない“住人”のほうは保険金が出ないなどのリスクがある。
見過ごせない問題で「誰かが取り組まなくては」と思い、自ら希望して担当になった。

勤務する博多駅前店に性の多様性のシンボルであるレインボーステッカーを貼り、LGBTの部屋探しを支援していることをツイッターやフェイスブックで発信。
自社グループの家賃保証会社に同性カップルの入居をきちんと説明したうえで契約を成立させてきた。

しかし一方で自社管理の物件以外では、入居希望の同性の2人の関係などを聞かれ、手続きがなかなか進まず、契約にいたらないケースもある。

三好不動産の取り組みは業界では知られており、11月に全国の不動産業者が集まって東京で開かれるフォーラムで同社はこれまでの活動実績などを報告する予定だ。

棚村政行・早稲田大教授(家族法)は「LGBTの部屋探しを支援する民間の取り組みが始まったことは評価できる。しかし住まいの確保は生活の基本であり、行政が積極的に支援すべきだ。相談窓口の設置や偏見をなくすための啓発、差別を禁止する条例の制定などが必要だ」と話している。

検索サービスも

同性カップルの賃貸入居については、全国で官民ともにさまざまな取り組みが始まっている。

東京都渋谷区は2015年11月に同性カップルを公的に認めて証明書を交付する「パートナーシップ制度」を条例に基づいて始め、他の自治体も続いた。
法的な拘束力はないが、不動産などの事業者にLGBTであることを理由とした差別を禁じている。

世田谷区が16年にLGBTを対象に実施して965人から回答を得た調査によると、「自治体に望むこと」(複数回答可)で、約6割の560人が「民間賃貸住宅への円滑な入居」と答えた。

不動産情報サイト「SUUMO」は今年8月から、LGBTを理由に入居を断らないことを表明している管理会社の賃貸物件を検索できるサービスなどを実施している。

【遠山和宏】

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