トランスジェンダー

性的少数者を演じ、裏側で「すごく悩んだ」 志尊淳さん

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2018年3月5日 11時14分 配信
引用元:朝日新聞DIGITAL

3月8日は、国連が定めた「国際女性デー」です。
男女格差が大きいとされる日本を、若い人たち、とりわけ女の子たちが、性別にとらわれず生きることができる社会に――。
俳優の志尊淳さん(23)は「自分しか出せないものを発信して」と語ります。

甘い物が大好きなんですけど、テレビとかでそう言うと、「女子力高い」「女の子みたい」と言われるのが、あまり好きじゃないです。
好きな食べ物は、人それぞれじゃないですか。

告白するのは男から」とか、そういう世間の考えで、よく分からないと思う部分があります。
それって女性が好きだよね」「男性だからこうするよね」という考えは「想像」でつくられていて、それがおのおのの世界を狭めていることがあると感じます。

高校生ぐらいの時は、「男らしい人」がモテるみたいのはあって、「こうした方が男らしいのかな」とか考えていた時期もありました。
でも、そういうのって持たないと思うんですよ。
僕自身は、自分はそのままでいいし、好きなタイプに人を当てはめたいとも思わない。
それぞれの良さがあると思うからです。
どこかに、そのままでいる自分を「いいな」と思ってくれる人がいると思う。
僕は自分の人間力を上げていきたいです。
いてくれるだけで安心できる男性に憧れるので、そういう人間力をつけたいです。

本当に微力ですけど、発信には気を付けたいと思っています。
ドラマ「女子的生活」(NHKで1月に放送)で主人公の(心と体の性が一致しない)トランスジェンダーの役を演じた時には、特に気を付けました。
言葉にピンとくるようになって、例えば、「作品で女装したんですよね?」と聞かれたら、「あ、女装じゃなくて」という所から始める。
そういうのを一つ一つやることが大事だと思う。

僕が「これぐらいはいいだろう」と妥協して発信することによって、どれだけの人が嫌な思いをするかと考えると、性的マイノリティを演じる責任や、発信することの責任を感じます。
役者は自由奔放でいいんじゃないか」という意見もあると思うんですけど、僕は責任を一つ一つに感じます。
優等生すぎる」「面白くない」と言われますけど、そういう性分なんです。
自分はそう簡単には変えられないし、変える必要もないんじゃないかと思っています。

女子的生活」では、「(性的マイノリティを)許せない」という声も届きました。
でも、そう生まれてきたのであって、他人が「許す」「許さない」というものじゃない。
そういう風に思ってくれる人が一人でも多くなれば、という気持ちで必死にやりました。
このドラマで初めて性的マイノリティーを認識した人にとって、象徴のような存在になるので、生半可にはやれないですし、役作りはすごく悩みました。

10代の時は、「自分はこれが正しい」と思っているのに、人に合わせたり、多数派の意見に流されたりということがあると思います。
でも僕は、自分に無いものを持っている人がすごく好きでした。
自分じゃ考えられないことや、同じ考えでも考えの先がある人や、考えを別の形で表現している人にすごく魅力を感じるんです。

全通り一緒の人はいない。
自分にしか出せないもの、自分にしか考えられないことがある。
それを発信して欲しいです。
男女問わず、いろんな考えの人がもっと出てくれば、社会は絶対に変わるし、「想像」やイメージも多様化していくと思います。

僕自身もどんどん発信していきたい。「志尊が発信しているんだったら、私もしてみようかな」と感じてもらえたらと思っています。
ただ、発信には影響される人がいると思うので、絶対に責任を持った方がいいと言いたいです。
(聞き手・湊彬子)

志尊淳(しそん・じゅん)

1995年生まれ。東京都出身。俳優。
4月に始まるNHK連続テレビ小説「半分、青い。」で、ゲイの青年藤堂誠(通称・ボクテ)を演じる。

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