LGBT

LGBTを理解する…「恋をするのに性別なんて関係ない」私のこと。

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2018年4月15日 14時30分 配信
引用元:anan総研(ネタりか)

しゅんかさんのセクシュアリティである ”パンセクシュアル”、”トランス女性” とは

パンセクシュアル” と聞いてもピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。
パン” には ”全ての” という意味があります。
平たくいうと、”性別の枠を超えて人を愛する” といった意味合いです。

女性が男性に、男性が女性に、といったように異性に恋愛感情を抱くのが異性愛者です。
異性愛者のことを ”ストレート” と呼ぶこともあります。
一方、同性に対して恋愛感情を抱く方たちは同性愛者です。
いわゆる、”レズビアン” や ”ゲイ” です。
また、異性にも同性にも恋愛感情を抱く方もいらっしゃいます。
こうした方たちは”バイセクシュアル”と呼ばれます。

生物学的には ”男性” と ”女性” の2つの性で語られることが多いですが、実はこうした性は複雑です。
体が女性で心が男性である方はFemale to Male(FTM)、体が男性であり心が女性である方はMale to Female(MTF)と呼ばれます。
生まれた体と心の性が異なる方を、”トランスジェンダー” といいます。
また、”男性でも女性でもない” と感じる方もいらっしゃり、そういった方は ”Xジェンダー” と呼ばれています。

男性”・”女性” だけでなく、こうした複雑な性の垣根を超えて全ての人を愛する立場の方が ”パンセクシュアル” です。
しゅんかさんは、このパンセクシュアルにあたります。

バイセクシュアルとパンセクシュアルの明確な違いについて疑問に思う方がいらっしゃるかもしれません。
双方の言葉は、それぞれできた背景が異なります。
しかし、大きな差はそこにありません。
どちらかだと自認していればそちらのセクシュアリティであり、なかには「自分はバイセクシュアルであってもパンセクシュアルであってもどちらでも構わない」と考えている方もいらっしゃいます。
自分の心と向き合って、セクシュアリティを自認しているのです。

また、”トランス女性” という言葉も聞き慣れないかもしれません。
トランス女性とは、前述したMTFのことで、体は男性で心は女性に生まれ、現在は女性として生きている方のことです。
逆にFTMの方はトランス男性といいます。

英語では “trans woman” といい、トランス女性はその直訳です。
トランスウーマン” や “トランスジェンダー女性” と呼ぶこともあります。
“trans woman” は、”transgender woman” を省略してできた言葉で、LGBTの理解が深まっている国では当事者もポジティブな意味合いで使っています。
日本では、セクシュアリティをトランス女性という言葉で説明する方々はまだまだ少ないでしょう。
今回お話をうかがったしゅんかさんがトランス女性という言葉を使用する理由は後述します。
聞き慣れないかもしれませんが、よりLGBTを知る機会になればと思います。

パンセクシュアルでありトランス女性であるしゅんかさん。
ここからは、彼女の体験談と思いをお話します。

LGBT当事者だと自覚した大学生時代、初めてカミングアウトしたきっかけ

私がハッキリとLGBT当事者だと認識したのは大学生の頃です。
それまでも違和感は少しありました。
例えば、体毛が濃かったり声が低かったりといった男性らしい体つきに抵抗感があったのです。
しかし、大学生になるまでは、トランスジェンダーという言葉を知りませんでした。
違和感がありながらも、自認する機会がなかったのです。
さらに、恋愛対象に関する知識がなかったため、パンセクシュアルだという認識もありませんでした。

大学生になって、トランスジェンダーという言葉を知りました。
二次性徴に対する違和感があったことから、「私はトランスジェンダーなのかもしれない」と思うように。
改めて幼稚園の頃の写真を眺めてみると、女の子たちと一緒に遊んでいることが多いなと感じました。
当時は意識していなかったのですが、幼少時の写真や二次性徴のときに覚えた違和感からトランスジェンダーを自認しました。

恋愛に関しても、それまでは女性を好きになっていたのですが、大学生になって初めて男性を好きになりました。
バイセクシュアルという言葉も知り、「私はバイセクシュアルなんだ」と認識したのです。
後述しますが、パンセクシュアルだと自認するようになったのは26歳のときです。
この頃は、バイセクシュアルだと思っていました。

LGBTについては、テレビで見かけるようなキャラクターのイメージが強く、私自身なんとなく良いイメージを持っていませんでした。
父がLGBTに対してネガティブな発言をしていたこともそういったイメージを後押ししていたのかもしれません。

自分がLGBT当事者だと認識したものの、それは恥ずかしいことなのではと感じてしまっていました。
なかなか人に話す勇気が出ませんでした。
そんなとき、叔母を通じて20年以上会っていなかった従姉妹と再会することに。
再会してからとても仲良くなり、いろいろな話をしました。

その会話の中で、私は自然と自分のセクシュアリティをカミングアウトしていたのです。
従姉妹は偏見などを持っておらず、温かい言葉をかけてくれました。
従姉妹に受け入れてもらえたことが嬉しくて、「自分らしく生きていけそう」と思えたのです。

それがきっかけで、身近な人からカミングアウトしていくように。
会社の人にも話し、ありがたいことに、たくさんの人が受け入れてくれました。

LGBTの知識を得たきっかけ、自分自身のセクシュアリティについて

周囲の人にカミングアウトしてきましたが、両親へのカミングアウトが一番勇気がいりました。
そんなとき、LGBTのコミュニティに行ったことがないなと思い、そういった仲間たちが集うというカフェに足を運んでみました。

そこで偶然出会ったのが、現在私もLGBT活動をしている団体「認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ」の代表者たちだったのです。
LGBTに関するさまざまな知識を聞き、「OUT IN JAPAN」という写真を通じて自身のセクシュアリティをカミングアウトするという活動も知りました。
そういった話をしていくなかで、両親にカミングアウトする勇気ももらいました。

さらにその日、ほかの人たちとも話をしました。
そのときにパンセクシュアルという言葉を知り、まさに自分の性的指向だと思いました。
性別の枠を超える” といった意味合いが、男性・女性だけでなくトランスジェンダーなども含まれているため、自分自身を説明するのに合っている言葉だと感じたのです。

それからは、自分のセクシュアリティをパンセクシュアルだと紹介しています。
LGBTのなかでも、社会や当事者コミュニティからのバイセクシュアルやパンセクシュアルへの偏見は、ゲイやレズビアンに比べて強いように感じます。
環境的に言いにくかったり、ときには”バイフォビア(バイセクシュアルに対して嫌悪感や恐怖感など負の感情を抱くこと)“を持っている人もいたりします。
理解が深まっていないなか、バイセクシュアルやパンセクシュアルであることをカミングアウトしにくい当事者もいるのです。
カミングアウトする人が少ないと、可視化が進みません。

私は、「誰もが、どんな性の人を好きになっても良いな」と考えています。
当事者にもよりポジティブに捉えてほしいという思いがあり、積極的にパンセクシュアルだと公言しているのです。

また、私はMTFと言われるのがあまり好きではありません。
MTFの ”M” には ”Male(男性)” という意味があります。
女性として生きようとしているのに、”もとの性別” を明記しているようだからです。
個人的には、今を生きていくうえでもともとの性別は重要ではないと考えています。

だから、私自身を紹介するときはトランス女性だと言っています。
とはいっても、MTF、FTMと自己紹介する方は尊重しています。
それぞれの考えがあり、それぞれの表し方があって良いのだと思っているのです。

”こうであるべき” ではなく、”こうしたい” という意志を尊重し合える社会へ

OUT IN JAPAN」の活動に刺激を受け、少しでも私に手伝えることがあれば、とLGBT当事者として活動を始めるようになりました。
私が強く感じるのは、今の社会では ”こうあるべき” という考えが当たり前になっていることです。

例えば私は研究職に就いています。
それは、私自身追い求めるのが好きだからです。
しかし、「せっかく大学院まで行ったのだから」という理由で研究者になっている方も見かけます。
やりたくないのに研究者になっているのは、「ここまで勉強したら研究職に就くべき」といった考えが少なからずあるのではと感じています。
そうした ”こうあるべき” という考えは、いろいろなところに見受けられると思うのです。

私は、”こうしたい” というそれぞれの意志を尊重し合える社会になるよう望んでいます。
実は、両親へのカミングアウト後、父とはあまりうまくいっていません。
母は歩み寄ってくれ、正直に話せるようになりました。
でも、カミングアウトしたことを後悔していません。
ずっと嘘をついているよりは良かったのではないかと思うのです。
父とも理解し合える日がくるよう努めています。

こうあるべき” が強い社会だからこそ、窮屈なことも多いのではないかと思います。
これはLGBTに限ったことではありません。
みんなそれぞれがいろいろな面で違っているのです。
多くの人と違うから排除するのではなく、違っているからこそ一緒にいると楽しいと感じられるのだと思います。

さまざまな人が ”こうしたい” という意志を持ち、それをお互いに尊重できる社会。
さまざまな人が自分らしく生きられる社会になるよう、力になれればと活動しています。

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