性別適合手術

ありのままの自分で生きていく…「性別適合手術」で得たもの

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

2018年6月16日 10時30分 配信
引用元:KSB瀬戸内海放送(Yahoo!ニュース)

心と体の性が一致しない「トランスジェンダー」。
男性として生きたいと願い、今年の春性別適合手術を受けた人が岡山市にいます。
男性になった彼は何を得たのでしょうか?

多様な性…セクシュアル・マイノリティは13人に1人

性の多様性について考えてもらおうと、5月、岡山市で講演会が開かれました。

心と体の性が一致していて異性を好きになる」といういわゆる多数派に当てはまらない人たちは、セクシュアル・マイノリティと呼ばれます。
レズビアンやゲイなどさまざまな人がいてその割合は13人に1人といわれています。

性的マイノリティの人たちというのは特別な人、かわいそうな人というわけではないんです。
皆さんと同じようにごく普通に生きていて皆さんの周りにもいて、そしてこれからもそうしたいと願っています。
(プラウド岡山/鈴木富美子 代表)

体は女性、心は男性…幼少期に感じた“違和感”

トランスジェンダー」もその1つ、体の性にとらわれない心のあり方を持つ人のことです。
心は女性で体は男性、心は男性で体は女性、どちらでもない人などがいます。

そんなトランスジェンダーの1人、田中志昂さん(36)。
体は女性、心は男性として生まれましたが、今年の春、性別適合手術を受け、戸籍も男性に変えました。

幼稚園の頃から男の子のおもちゃとか、男の子と遊ぶ方が好きで、一番大きなきっかけっていうのが七五三。
自分が女の着物で弟は袴だったんですよ。
その時に、なんで自分は着物を着ないといけないのってすごい嫌な思いがして、その時の七五三の写真見たらめちゃくちゃふてぶてしく写ってて、相当嫌だったんだろうなってその辺からですね。
(田中志昂さん)

周りからは男の子みたいにやんちゃな女の子だと思われていましたが、心と体の性が一致しない違和感を誰にも打ち明けずに生きてきました。

人がすごいねって言ってくれることも正直に喜べないというか、それは本当の自分じゃないのになみたいな感じがありました。
(田中志昂さん)

18歳で初めて弟に打ち明ける

しかし、18歳の時、田中さんは勇気を振り絞り、弟の大資さんに自分の心が男だと打ち明けました。

今考えるとやっぱりお兄ちゃんぽい雰囲気だったっていうのはあります。
すごく勇気を持って言ってくれたんだろうなっていうのはすごく伝わってきました。
(田中大資さん)
それは違うよとか、やっぱりあなたは女だよとか言う人もいる中で、弟は『そうなんだね』ってそのままを認めてくれて、否定せずに受け入れてくれたっていうことが自分としてはすごくうれしかった。
(田中志昂さん)

少しずつ他の家族や友人にも打ち明け、今はオープンにしています。
そのままでいいと言う人がいたこともあり、15年以上、性別適合手術はせず、体は女性のまま生きてきました。

ありのままの自分で…今春タイで手術

そんな田中さんの意識が変わったのはおととしです。

女として社会で働かないといけないっていうストレスで病気をしちゃって入院したんですよ。
我慢して生きていくっていうのも選択だし、自分が自分らしく生きる選択を自分でやっていこうと思って、ありのままもっと生きていきたいと思って、そこが意識の変化でした。
(田中志昂さん)

性同一性障害の診断をもらい、性別適合手術をすると戸籍上の性別を変えることができます。

今年の春、田中さんはタイを訪れ、無事に手術を終えました。

日本だったら、乳腺と子宮と卵巣を取るのを乳腺を取ってから1年間空けて子宮と卵巣をっていう流れなんですけど、タイだったらそれをいっぺんにできるんです。
あとはタイに行ってみたくて。
やっと心と体が一致した。
(田中志昂さん)

性別適合手術…国内の受け入れ体制は

約20年前、性別適合手術の先進国タイに続き、日本でも公式な手術が行われるようになりました。

岡山大学病院でも2001年に初めて行われ、以来精神科、泌尿器科、産婦人科、形成外科などが包括的に「性同一性障害」の診療を行う西日本最大の医療拠点となりました。

しかし、国内で当事者を受け入れる体制はまだ不十分だと岡山大学医学部保健学科の中塚幹也教授は指摘します。

初めて来られる当事者の方を受け入れるのが、年間120人から150人くらいまでで、そこから先は受けられない現状が続いている。
日本でも乳房を取る、子宮卵巣を取る、一緒にすることもできないこともない。
ただやはりベッドの関係とか手術の日数を有効に使うとなると、今の岡山大学の状況だと別々にさせていただいてる。
(岡山大学医学部保健学科/中塚幹也 教授)

日本ではこれまでに約7,000人が手術を受け、戸籍変更していますが、調査によると、国内での手術は2015年12月末現在で約1,400例
多くが海外で行われているのが現状です。

4月から性別適合手術が「保険適用」に

そんな中、今年4月から性別適合手術の保険適用が認められ、手術の自己負担が3割に。
現在は岡山大学病院など全国で4つの病院が手術に保険を適用できる病院に認定されています。

保険適用でやるってことは国がちゃんと認めたということになりますので、それは正しい治療、適切な治療ということも認めてもらいやすくなる。
今までなかなかやるのを躊躇していた医師なんかもそれだったら始めようかという方もどんどん増えてきている。
(岡山大学医学部保健学科/中塚幹也 教授)

ありのままの自分で生きていく

今は元気になったな。悩みがあったんじゃろうな。
(祖母/田中稔子 さん)
けっこう人から言われるんですよ。
自分は変わったと思ってないけど、けっこう表情変わったねと、やっぱり自分の気持ちが納得してるんでしょうね。
(田中志昂 さん)

田中さんはジムで働きながら、自宅で家族や知り合いにマッサージを行っています。
柔道整復師として独立し、サロンを開く予定です。

手術して、自分の中でやってみたいというか、自分の力を試してみて自分がありのままに生きていくことの素晴らしさが分かったから、それをマッサージとかトレーニングを通して伝えていけたら。
(田中志昂 さん)

ありのままの自分でこれからの人生を生きていきます。

(男性になることに)賛成はしませんよ。
本人が言うことを聞かないからしょうがない、自分の意志を通すから、皆諦めてます。
(祖母/田中稔子 さん)
これが生の声です。(笑)
(田中志昂 さん)

KSB瀬戸内海放送

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

LINE@で最新情報をGET!

「LINE@」に登録すれば、ニュースの最新情報を受け取ることができます。

またここでしか受け取れない情報もありますのでぜひご登録ください。

1:1トークもできます。

相談したいこと、話したいことがあればいつでもお話しできます。

【1:1トーク可能時間】 9:00~21:00

友だち追加