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LGBT「ハラスメント規定」あり2割 対応遅れが浮き彫りに <九州の大学など調査>

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2018年5月12日 6時10分 配信
引用元:佐賀新聞Live(Yahoo!ニュース)

大学教員などでつくる「キャンパス・セクシュアル・ハラスメント全国ネットワーク」九州ブロックが、佐賀県内を含む九州・沖縄の大学、短大、高専を対象に実施した調査で、LGBTなど性的マイノリティーへのハラスメントや差別について指針やガイドラインで規定しているのは21%と約2割にとどまったことが分かった。
LGBTに関する社会の認知度が高まる一方で、高等教育の現場での対応の遅れが浮き彫りになった格好だ。

調査は7、8月(一部は2017年度)に113校を対象に実施し、57校から回答を得た。

性的マイノリティーに対するハラスメントや差別について、指針やガイドラインで規定しているのは12校。
規定」を検討している6校を加えても、18校と全回答の3割にとどまった。

ハラスメントなどを防止するため、指針に記載する以外に取り組みがあるかどうかに関しては「ある」が18%(10校)。
学生証での通称名の使用」「教職員向け研修」が多く、男女別にしない名簿作成や相談窓口の設置などもあった。

学生サークルの有無(本年度調査のみ)に関しては、公認、非公認を問わず「ある」としたのは4校で、1割未満だった。
九州ブロックで事務局を務める福岡教育大学の喜多加実代教授は「予想以上に、形式的な部分さえ整っていない実態が見えた」と指摘する。

調査結果は9月、福岡県で開かれた全国集会で発表された。当事者として対応を求めている健崎まひろさん(20)=佐賀大2年=は「使う学生の視点が抜けていると感じた」と話す。
多目的トイレの設置など、ハード面に取り組む大学の動きについて、「多目的トイレが各階にできたのはうれしい。ただ、男女トイレの真ん中や廊下の中心など、人通りが多くて目立つ場所にある」と指摘、利用する側の意向をくんだ制度、設備の充実を望んだ。

佐賀大学ジェンダー・イクオリティ研究所の吉住磨子教授(芸術地域デザイン学部)は「みんなのトイレの設置などハード面は、金銭的にもすぐにできることではない。ただ教育機関がガイドラインを規定するなど『理解しよう』とする姿勢を示す、その一歩は踏み出せるのでは。それだけで全然違う」と話す。

トランスジェンダーなどの学生 通称名使用を検討 佐賀大

佐賀大では、トランスジェンダーなどの学生が戸籍上の名前でなく、通称名を使用できるよう対応の検討を進めている。
申請方法や使用できる範囲を検討しており、導入する時期も「未定」としている。

今年1月、佐賀大2年の健崎まひろさん=活動名=(20)が、学生生活課へ「授業や学生証でも通称名を使えるようにしてほしい」と申し出た。
戸籍上の名前と性自認が一致せず、呼ばれる名前に違和感を感じていたのだという。

健崎さんは「在学中に導入されるのは厳しいかもしれないが、何年後かに入ってくる人のためになれば良い。(自認する性を)親に隠している人がほとんど。親へのアウティング(第三者による性自認などの暴露)につながらない方法を考えてもらいたい」と話す。

九州では、北九州市立大などで通称名使用の制度が導入されており、佐賀大の学生生活課は「卒業するときに学位の証明書でも使用するかなど、他大学の状況を見ながら検討する」としている。

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